専門医が行う根管治療① 3DCTの有用性 〜宇部市歯医者(歯の神経の治療)
2022.11.21
再根管治療の症例
根尖周囲にX線透過像を認めました。
透過像は歯根の分岐部まで及び、また病変との境界明瞭な透過像から嚢胞の可能性も疑いました。
つまり、根尖(根の先端)から分岐部(根の股)にかけて、骨が炎症によって吸収(喪失)し、代わりに嚢胞、もしくは不良肉芽、膿などの病変に置き換わってしまった状態です。
このような、厚い皮質骨(骨の表面の硬い部分)に取り囲まれた病変は、通常のデンタルX線では発見することが困難なこともありますが、歯科用3DCTだと、病変の有無、位置や大きさを把握することが可能になります。
術前3DCT
術前の状況を正確に診断することは非常に大事なことです。
診断を間違えれば、見当違いな治療を行うことになるからです。
また、術前のCTによって、治療の予後を正確に評価することができます。
根管治療術後3ヶ月後のCTでの評価
喪失していた骨が再生していることが確認できます。
病変がある場合、再根管治療の成功率は40~70%と言われています。つまり、根管治療を行なっても骨の再生を認められない場合もありますので、治癒を確認してから次の被せ物へ進んだ方が安心です。
根管治療専門医 塙真樹子
Category : 症例紹介